面接で「挫折経験」を聞かれたら? 失敗を「成功の種」に変える答え方

挫折を乗り越える 選考対策

面接でよく聞かれる質問の一つに、「これまでの挫折経験について教えてください」というものがありますよね。この質問、正直に答えていいのか、それとも当たり障りのない話で済ませるべきか、迷う人も多いのではないでしょうか。

「挫折経験なんて話したら、マイナス評価になるんじゃ…?」と不安になるかもしれません。でも、安心してください。面接官は、あなたの失敗談を聞きたいのではありません。彼らが知りたいのは、あなたが挫折をどう乗り越え、そこから何を学び、どう成長したのかという、あなたの「人間力」と「問題解決能力」なんです。

今回は、面接で「挫折経験」を聞かれた時に、あなたの失敗を「成功の種」に変えて伝えるための答え方と、具体的な例文をご紹介します。


面接官が「挫折経験」を聞く理由

面接官がこの質問をする意図は、主に以下の3点です。

1. 困難への「向き合い方」と「乗り越え方」を知るため

仕事には、必ず困難や壁がつきものです。面接官は、あなたが挫折した時に、感情的に落ち込むだけで終わるのか、それとも冷静に状況を分析し、前向きに解決策を探せるタイプなのかを見極めたいと考えています。

2. 自己分析力と「学び」の姿勢を見るため

自分の失敗を客観的に分析し、「なぜ失敗したのか」「どうすれば良かったのか」を言語化できる自己分析力があるか。そして、その経験から何を学び、次にどう活かそうと考えているかという「学び」の姿勢を確認しています。

3. ストレス耐性と「人間力」を測るため

挫折経験を話すことで、あなたがどの程度のストレスに耐えられるのか、また、失敗から立ち直る「レジリエンス(回復力)」があるかを見ています。人間としての成熟度や、困難に直面した時の対応力を知りたいのです。


「挫折経験」を話す際の3つのステップ

あなたの挫折経験を、面接官に響く「成長の物語」として伝えるためには、以下の3つのステップで構成しましょう。

ステップ1:具体的な挫折の内容を簡潔に話す(事実)

まずは、どんな状況で、何が原因で、どんな挫折を経験したのかを具体的に、かつ簡潔に説明します。ここでは、感情的になりすぎず、客観的な事実を述べることを意識しましょう。

  • ポイント:
    • 複雑にしすぎず、相手が理解しやすいようにする。
    • あまりにも個人的すぎる内容や、会社の悪口になる内容は避ける。
    • 「誰かのせい」にしない。

ステップ2:その挫折から何を感じ、どう乗り越えたか(行動・思考)

ここが最も重要な部分です。挫折を感じた時に、あなたがどのように考え、どんな行動を起こしたのかを具体的に伝えましょう。

  • ポイント:
    • 感情的に落ち込むだけでなく、そこからどう立ち直ろうとしたのかを示す。
    • 具体的な行動(例:情報収集、スキルアップ、人への相談、試行錯誤など)を挙げる。
    • 失敗の原因を自分自身に求め、改善しようとした姿勢を見せる。

ステップ3:その経験から何を学び、今後にどう活かすか(学び・成長)

最後に、挫折経験を通じて、あなたがどんな学びを得て、それが今後の仕事やキャリアにどう活かせるのかを具体的にアピールしましょう。

  • ポイント:
    • その挫折が、今のあなたをどう成長させたのかを明確にする。
    • 応募する会社の仕事で、その学びやスキルがどう活かせるのかを具体的に結びつける。
    • ポジティブな言葉で締めくくる。

挫折経験のNG例とOK例(例文)

具体的な例文を見て、良い答え方と避けるべき答え方を比較してみましょう。

NG例:「誰かのせい」「反省が見えない」パターン

「前職のプロジェクトで、リーダーが指示が曖牲で、メンバー間の連携も悪かったせいで、納期に間に合わずプロジェクトが頓挫しました。私は一生懸命やっていたんですが、周りがついてこなくて。正直、あの時はもう仕事辞めようかと思いました。」

  • 問題点: 失敗の原因を他者に転嫁している。自分自身の反省や学びが見えない。諦めが早い印象を与える。

OK例:「学びと成長」を示すパターン

「前職で、初めてリーダーを任されたプロジェクトで、メンバーのスキルや進捗状況を十分に把握しきれず、結果的に納期に遅れが生じ、お客様にご迷惑をおかけしたことがありました。

この時、私は非常に落ち込みましたが、同時に『リーダーとしての自分の力不足』を痛感しました。そこで、まず各メンバーとの個別面談を設け、それぞれの得意分野や課題、抱えている仕事量を詳細にヒアリングし、改めてタスクの再配分と進捗の可視化を徹底しました。また、自分自身もプロジェクト管理に関する書籍を読み、OJTで先輩からフィードバックを積極的に求めるなど、学びを深めました。

この経験を通じて、『個々のメンバーの状況を深く理解し、適切なコミュニケーションでチーム力を最大化することの重要性』を痛感しました。今後は、この学びを活かし、チームの連携を円滑にしながら、御社でのプロジェクトに貢献していきたいと考えております。」

  • 良い点:
    • 挫折の原因を具体的に話し、自分の課題を認識している。
    • 挫折から逃げず、具体的な行動(ヒアリング、再配分、学習)を起こしている。
    • 挫折を通じて得た学びが明確(チーム力最大化、コミュニケーションの重要性)。
    • その学びを応募企業でどう活かすか、ポジティブに結びつけている。

まとめ:失敗は、あなたの「成長ストーリー」の始まり

面接で「挫折経験」を聞かれた時、それは決してあなたの過去の失敗を掘り起こすための質問ではありません。むしろ、あなたの人間的な強さや、困難を乗り越える力を知りたいという、企業からの期待の表れです。

失敗を恐れず、その経験から何を学び、どう成長したのかを、あなた自身の「成長ストーリー」として語りましょう。あなたの挫折経験は、きっとあなたのキャリアを豊かにする、かけがえのない財産となるはずです。

自信を持って、あなたの「成長の物語」を伝えてくださいね。

この記事を書いた人
この記事を書いた人
千野 謙人

ユーズ株式会社所属
キャリアアドバイザー

2013年建設業界のセールスコンサルタントとして就職。地図に残る大きな仕事、たくさんのお客様との繋がりを持てることにやりがいを感じながら、第一線で働く。順調に売上を伸ばし、役職にもつく。
今後のキャリアについて自分も悩み、自分以外も今後のキャリアに悩んでいる人たちが数多くいることを実感し、ユーズ株式会社を創業。
20代若手キャリア形成を強みとし、キャリアアドバイザーとして努める

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