転職を考える前の“自己分析”から始める!3

キャリアアンカー 自己分析

③ フレームワークでグッと深掘り!SWOT分析など

**これまでの(パート①②)**では、「自己分析の大切さ」「過去の経験の振り返り方」をお伝えしました。最後のこのパートでは、その振り返り結果をさらにブラッシュアップするための代表的なフレームワークを紹介します。やわらかい感覚で、自分に合いそうなものだけ使ってみてください。


1. SWOT分析(スウォット分析)

● そもそもSWOT分析って?

  • Strength(強み)/Weakness(弱み) は自分の中の内的要因。
  • Opportunity(機会)/Threat(脅威) は外部要因(業界の動向や市場の状態)。

● やり方

  1. Strength(強み)
    • 自分が「他の人よりできる」「好きで得意」ということを3~5個書き出します。
    • 例:
      • アルバイトで培ったコミュニケーション力
      • コツコツ調べものをするのが好き(資料作成が得意)
      • 新しい知識を独学で吸収する意欲がある
  2. Weakness(弱み)
    • 自分が「苦手」「改善したい」「経験が足りない」と思うことを3~5個。
    • 例:
      • プログラミング経験がゼロ
      • すぐ緊張して、人前でうまく話せない
      • 予定管理が雑になりがち
  3. Opportunity(機会)/Threat(脅威)
    • Opportunity:未経験OK求人が増えている、リモートワーク推進企業が多い…など、自分にとってプラスになる業界や市場の要素。
    • Threat:同年代でプログラミングスクール卒業者が増えている、景気の影響で求人が減るかも…といった、自分にとってリスクになりそうな外部要素。

● 何がわかるの?

  • Strength と Opportunity を掛け合わせて「自分の持ち味をどう活かすか」がイメージできる
  • Weakness と Threat からは「どんな準備をしたら不安を減らせるか」が見えてくる

たとえば、Strength=「人とコミュニケーションするのが好き」、Opportunity=「営業系の未経験採用が活発」という掛け合わせなら、営業職でチャレンジしてみるのがいいかも、という判断材料になります。


2. キャリアアンカー

● キャリアアンカーって何?

  • エドガー・シャインが提唱した、仕事を選ぶときに「自分が絶対に譲れない価値観」を見つけるための考え方です。
  • 大きく8つくらいのタイプに分かれます(例:専門職志向、マネジメント志向、独立志向、安定志向…など)。

● やり方

  1. ネットで「キャリアアンカー 診断シート」を検索し、簡易版を手に入れてみましょう。
  2. 8つのタイプの中で「これが一番自分に当てはまるな」「これだけは絶対に譲れない!」というものにチェックを入れます。
  3. チェックがついた理由を自分の言葉で簡単に書いてみます。
    • 例:「生活価値志向」が強い→「ワークライフバランスを絶対大事にしたい」「残業が多い会社はストレスになる」

● どう役立つの?

  • 自分の仕事選びの“軸”が明確になるので、「この企業は自分のキャリアアンカーに合っているか?」を判断しやすくなります。
  • 仮に面接で「どうしてうちの会社を選んだのか?」と聞かれても、しっかり自分の価値観に沿った回答ができますね。

3. モチベーショングラフ

● モチベーショングラフとは?

  • 自分の人生を振り返りながら、年齢ごとに「モチベーションや幸福度が高かった/低かった」をグラフにプロットする方法です。

● やり方

  1. 横軸に「年齢」、縦軸に「モチベーションの高さ」を書き、過去から今までをざっくりグラフ化。
  2. グラフの山や谷ができたポイントで、何があったのか思い出してみます(成功・失敗体験とつなげてもOK)。
  3. そのときの要因をメモしていく。
    • 例:
      • 20歳:大学で学園祭の実行委員→「みんなと協力して何かを作るのが楽しかった」→モチベーション高
      • 23歳:初めてのアルバイトが細かいルーチン作業中心→「単調すぎてモチベーションダダ下がり」→モチベーション低

● 何が見えてくるの?

  • 「自分はどんな状況だとがんばれるのか」「どんな環境だと心が折れやすいのか」がグラフからパッとわかります。
  • 転職先の企業文化や仕事の進め方をイメージするときに、「あのときの自分が元気だった条件」を連想しやすくなります。

4. まとめ(パート③)

  • SWOT分析:自分の内(強み・弱み)と外(機会・脅威)を整理して、「どこを伸ばし、どこを補うか」の優先順位が見える。
  • キャリアアンカー:自分が絶対に譲れない価値観を言語化し、「企業選びの基準」をつくる。
  • モチベーショングラフ:人生の山谷から「自分が一番イキイキしていた/落ち込んだ状況」を把握し、次に必要な環境をイメージしやすくする。

これらのフレームワークはどれもやさしく取り組めるものばかり。まずは手書きのノートやメモアプリにざっくり書き出してみて、自分にしっくりくる方法を続けてくださいね。


おわりに

3つのパートに分けてお届けしましたが、いかがでしょうか?

  • パート①:自己分析の大切さ
  • パート②:過去経験の振り返り方
  • パート③:フレームワークで深掘り

どれか一つだけをやってみてもOKですし、順番に取り組んでも全体像はつかみやすいはず。まずは「自己分析ってそこまで難しくないかも」と思ってもらえたら嬉しいです。20代・30代の未経験からの転職は不安も大きいですが、「自分のことをちゃんと知る」ことが、自信をもって次の一歩を踏み出すコツになります。ぜひ気楽な気持ちで、じっくりチャレンジしてみてくださいね!

この記事を書いた人
この記事を書いた人
千野 謙人

ユーズ株式会社所属
キャリアアドバイザー

2013年建設業界のセールスコンサルタントとして就職。地図に残る大きな仕事、たくさんのお客様との繋がりを持てることにやりがいを感じながら、第一線で働く。順調に売上を伸ばし、役職にもつく。
今後のキャリアについて自分も悩み、自分以外も今後のキャリアに悩んでいる人たちが数多くいることを実感し、ユーズ株式会社を創業。
20代若手キャリア形成を強みとし、キャリアアドバイザーとして努める

千野 謙人をフォローする
自己分析

コメント

タイトルとURLをコピーしました