CAD(キャド)とは? ものづくりを支える「デジタル設計ツール」を分かりやすく解説!

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私たちの身の回りにある、ほとんどすべての「もの」は、作る前に必ず「設計図」が作られます。スマートフォン、自動車、家電、建物、家具…どんなものでも、設計図なしには生まれません。

その設計図を、手書きの時代から「デジタル」へと変革させ、現代のものづくりを支えているのが、CAD(キャド) と呼ばれるツールです。

「CADってよく聞くけど、具体的に何ができるの?」「どんな仕事で使うの?」

今回は、CADが一体どんなものなのか、なぜ今、ものづくりに欠かせないのかを、初めて知る方にも分かりやすく解説していきます。


CAD(キャド)とは? 「コンピューターで設計する」技術

CADとは、「Computer Aided Design(コンピューター・エイデッド・デザイン)」の頭文字を取った略語です。直訳すると「コンピューター支援設計」となります。

簡単に言えば、コンピューターを使って、製品や建築物の設計図を作成したり、修正したりするためのソフトウェアシステム全般を指します。

かつて設計図は手書きで描かれていましたが、CADの登場により、その作業は劇的に効率化され、精度も向上しました。

CADでできることの例

  • 設計図の作成: 2次元(平面図)や3次元(立体モデル)で、製品の形やサイズ、部品の配置などを正確に描くことができます。
  • 設計の修正・変更: 手書きでは一から書き直しが必要だった修正も、CADならデータ上で簡単に変更できます。
  • シミュレーション: 描いたモデルが実際にどう動くか、強度に問題はないかなどを、コンピューター上でシミュレーションできるCADもあります。
  • データ連携: CADで作成した設計データを、他の製造機械(NC工作機械など)や解析ソフトに直接渡して活用できます。
  • 共有・管理: 設計データをデジタルで管理・共有できるため、複数人での共同作業や情報共有がスムーズになります。

CADを使うのはどんな仕事?

CADは、ものづくりに関わる様々な分野で活躍しています。

1. 機械設計(自動車、家電、ロボットなど)

  • 自動車のエンジン部品、スマートフォンの内部構造、家電製品の筐体、産業用ロボットのアームなど、ありとあらゆる機械製品の設計に使われます。
  • 部品一つひとつの形状や寸法の設計から、それらを組み合わせた製品全体の構造設計まで行います。

2. 建築・土木設計(住宅、ビル、橋、道路など)

  • 住宅の設計図、ビル全体の構造、橋梁、道路など、建築物やインフラの設計に使われます。
  • 建物の強度計算や、日当たり、風通しのシミュレーションを行うこともあります。

3. 電気・電子回路設計

  • パソコンやスマートフォン内部の基板、電子機器の回路図などの設計に使われます。
  • 配線の配置や部品の接続などを効率的に行います。

4. アパレル・ファッションデザイン

  • 衣服の型紙(パターン)作成や、生地の裁断図の作成に使われることもあります。

5. 家具・プロダクトデザイン

  • 椅子やテーブルなどの家具、日用品、雑貨など、様々な製品のデザインと設計に使われます。

CADを使う職種の例

  • CADオペレーター: 設計者が作成した指示に基づき、CADソフトを使って図面を作成・修正する専門職です。
  • 機械設計エンジニア: CADを使って機械部品や製品全体を設計するエンジニアです。
  • 建築設計士/デザイナー: 建築物のデザインや構造設計にCADを使います。
  • プロダクトデザイナー: 製品のデザインから設計までを担当し、CADで形にします。

なぜ今、CADがものづくりに欠かせないのか?

CADは、現代のものづくりを支える根幹のツールとなっています。

1. 精密な設計と品質の向上

  • 手書きでは難しい、ミクロン単位の精密な設計が可能です。これにより、製品の品質や性能が格段に向上しました。
  • 誤差が少なく、部品同士の組み合わせも正確になるため、製造時の不良品を減らせます。

2. 開発期間とコストの削減

  • 設計の修正が容易なため、試行錯誤の時間が大幅に短縮されます。
  • バーチャル空間でシミュレーションができるため、実際に試作する回数を減らし、開発コストを削減できます。
  • 製造機械と連携することで、設計から製造までの流れがスムーズになり、生産効率が向上します。

3. グローバルな共同作業を可能に

  • 設計データがデジタル化されているため、インターネットを通じて世界のどこからでも共有・共同作業が可能です。これにより、グローバルな開発体制が実現しました。

まとめ:CADは「ものづくりの未来」を拓くツール

CADは、私たちが当たり前に使っている様々な製品の裏側で、その「形」と「機能」を支えている重要な技術です。それは、単に図面を描く道具ではなく、現代のものづくりにおいて、精密さ、効率性、そして革新性を生み出すための心臓部と言えるでしょう。

もしあなたが「ものづくりが好き」「精密な作業が得意」「新しい技術に興味がある」と感じるなら、CADスキルは、未来のものづくりを支えるための強力な武器になります。

この記事を書いた人
この記事を書いた人
千野 謙人

ユーズ株式会社所属
キャリアアドバイザー

2013年建設業界のセールスコンサルタントとして就職。地図に残る大きな仕事、たくさんのお客様との繋がりを持てることにやりがいを感じながら、第一線で働く。順調に売上を伸ばし、役職にもつく。
今後のキャリアについて自分も悩み、自分以外も今後のキャリアに悩んでいる人たちが数多くいることを実感し、ユーズ株式会社を創業。
20代若手キャリア形成を強みとし、キャリアアドバイザーとして努める

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