「20代後半だけど、今から正社員を目指すのは遅いのかな…」 「周りはみんなキャリアを積んでるのに、私だけ取り残された気がする…」
もし今、あなたがそんなふうに感じているなら、それは決してあなただけではありません。非正規雇用で働いていたり、ブランクがあったりする20代後半の方にとって、「今から正社員を目指すのは遅いのでは?」という不安は、とても大きな壁のように感じられるかもしれません。
しかし、結論から言うと、20代後半から正社員を目指すのは、決して遅くありません。 むしろ、これまでの経験と、20代後半ならではの強みを活かせば、十分チャンスを掴むことができます。
今回は、実際に20代後半で正社員になった私の友人の体験談を交えながら、不安を乗り越え、正社員への道を開くための具体的なヒントをご紹介します。
リアル体験談:フリーターから営業職へ、友人の挑戦
私の友人A子(28歳)は、大学卒業後、アルバイトや派遣社員として働いてきました。接客業の経験は豊富でしたが、事務職や営業職といった「オフィスワーク」の経験はほぼゼロ。ある日、「このままでは将来が不安だ」と感じ、正社員を目指すことを決意しました。
しかし、彼女の悩みは「職務経歴書に書けることがない」「自分には何ができるか分からない」ということでした。
そこで彼女が実践したのが、以下のステップです。
1. 過去の経験を「武器」に変える自己分析
彼女はまず、これまでのアルバイトや派遣社員としての経験を「失敗」や「無駄」として片付けるのをやめました。接客業の経験を徹底的に棚卸しし、以下の「強み」を言語化したのです。
- お客様の声を聴く「傾聴力」
- アルバイト先で、お客様の不満や要望を真摯に聞き、クレーム対応を円滑に行った経験。
- 状況を把握し、臨機応変に対応する「問題解決能力」
- チームメンバーが足りない時に、自主的に業務を調整し、お店が円滑に回るように工夫した経験。
- チームメンバーとの連携を図る「協調性」
- 新人アルバイトの教育係として、分かりやすく業務を教え、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献した経験。
これらのスキルは、正社員の営業職や事務職でも活かせる「ポータブルスキル(汎用的なスキル)」です。彼女は、この自己分析を通じて、「自分には何もない」という自信のなさを払拭しました。
2. 「学び続ける意欲」を示すための行動
未経験であることは事実です。しかし、彼女は「未経験だからこそ、学ぶ意欲がある」ことを証明するために、行動を起こしました。
- WordとExcelの独学: オフィスワークの経験がないことを補うため、自主的に書籍を購入し、WordとExcelの基本操作を独学で学びました。
- 資格取得の挑戦: 履歴書に書ける武器を作るため、MOS(Microsoft Office Specialist)の資格取得を目指し、勉強を始めました。
- ポイント: 資格は取得できなくても、「現在、〇〇の資格取得に向けて勉強中です」と書くことで、学習意欲をアピールできます。
3. 応募書類と面接で「熱意」を伝える
彼女は、応募書類と面接で、これまでの経験を武器に変え、正社員への強い熱意を伝えました。
- 職務経歴書: アルバイトや派遣の経験を、ただ羅列するのではなく、上記で言語化した「傾聴力」や「問題解決能力」といった強みを、具体的なエピソードを交えて記述しました。
- 面接: 「なぜ今、正社員になりたいのか」「なぜこの会社なのか」という質問に対し、彼女は「これまでの接客経験で培ったお客様に寄り添う力を、御社の〇〇事業で活かしたい」と、明確な理由と熱意を語りました。また、自主的に勉強したことや、資格取得に挑戦していることも伝えました。
結果、彼女は、見事、未経験から中小企業の法人営業職として内定を勝ち取りました。彼女の強みは「これまでの経験」と「学び続ける意欲」だと、採用担当者は語ってくれたそうです。
20代後半から正社員を目指すあなたへ
友人の体験談からも分かるように、20代後半は決して「遅い」時期ではありません。むしろ、これまでの社会人経験で培われたスキルや、若手にはない落ち着き、そして今後のキャリアへの真剣な思いが、あなたの大きな武器となります。
- これまでの経験に自信を持つ: アルバイトや派遣社員の経験も、決して無駄ではありません。
- 学び続ける意欲を行動で示す: 独学でも良いので、興味のある分野の勉強を始めましょう。
- 「なぜ正社員になりたいのか」を明確にする: 安定だけでなく、その仕事で何をしたいのかを具体的に語れるようにしましょう。
- 転職エージェントを頼る: 自分の強みや、未経験者向けの求人情報について、プロの視点からアドバイスをもらいましょう。
「もう遅いかも…」という不安を抱える気持ちは分かります。でも、一番大切なのは、あなたの「変わりたい」という気持ちです。その気持ちを胸に、一歩踏み出してみませんか? あなたの挑戦を心から応援しています。