自己分析に役立つ!RIASEC診断

考え中 理論家

転職やキャリア選択を考えるとき、「自分はどんな仕事に向いているのか」「どんな働き方が自分らしいのか」を知ることは非常に重要です。ホランド(John Holland)が提唱したRIASECモデルは、そんな自己分析にぴったりのフレームワークです。

本記事では、RIASECモデルの概要と、すぐ使える「簡易チェックリスト」をご紹介します。ぜひ自分の興味傾向をざっくり把握してみてくださいね。


1. RIASECモデルとは?

1-1. 6つのタイプを説明

RIASECモデルは、以下の6つのパーソナリティタイプ(興味・適性)を示しています。それぞれに合った職種の例もあわせてご紹介します。

  1. Realistic(現実的タイプ)
    • 特徴:手を使ったものづくりや機械操作、フィールドワークを好む。
    • 職種例:製造業の技術職、建築・土木エンジニア、物流・倉庫管理、機械メンテナンス など
  2. Investigative(探究的タイプ)
    • 特徴:論理的・分析的思考でデータや理論を扱うことを楽しむ。
    • 職種例:データアナリスト、ITエンジニア、研究開発職、マーケティングリサーチ など
  3. Artistic(芸術的タイプ)
    • 特徴:クリエイティブな表現や自由な発想で価値を生み出すのが得意。
    • 職種例:Webデザイナー、グラフィックデザイナー、映像クリエイター、コピーライター など
  4. Social(社会的タイプ)
    • 特徴:人と直接関わり、教えたり助けたりする場面で力を発揮する。
    • 職種例:営業職、カスタマーサポート、保育・介護スタッフ、人事・学習支援 など
  5. Enterprising(企業家的タイプ)
    • 特徴:リーダーシップを発揮し、人を説得して目標達成をめざす。
    • 職種例:営業企画、プロジェクトマネージャー、経営企画、起業支援 など
  6. Conventional(慣習的タイプ)
    • 特徴:ルールや手順に沿ってコツコツ作業を進め、正確さを重視する。
    • 職種例:経理・財務事務、総務・人事アシスタント、データ入力・管理、品質管理 など

1-2. RIASECが自己分析に役立つ理由

  • 興味傾向を可視化できる
    「手を動かすのが好き」「データ分析が得意」「人と接する仕事が楽しい」など、あなたが何に価値を感じるかを6つのタイプで整理できます。
  • 適職ミスマッチを防ぎやすい
    自分がRealisticなのにArtisticな職場ばかり探すと、そのうち「入ってみたら合わなかった…」となりがち。RIASECで大枠を把握すれば、自分にフィットする業界・職種を絞り込めます。
  • 未経験転職でも方向性が見えやすい
    初めて業界・職種を変えるとき、興味傾向を基準にすると「何を学べばいいか」「どの求人をチェックすべきか」が明確になります。

2. すぐ使える!RIASEC簡易チェックリスト

以下は、各タイプごとに「はい/いいえ」で答えられる設問です。各タイプに該当するものをチェックしていき、最後にタイプごとの「はい」の数を数えてみてください。もっとも多かったタイプが、あなたの主な興味傾向の目安になります。


2-1. Realistic(現実的タイプ)

手を動かしてモノを作ったり、機械や工具を扱う作業が好きな傾向があります。

  • 自分の手を使って、具体的なモノ(機械・工具・キットなど)を扱う作業が好きだ。
  • 実験や組み立て、修理など、ものづくりに携わるとワクワクする。
  • アウトドア活動やフィールドワーク(工場見学、農作業体験など)に興味がある。
  • 手を動かして何かを完成させたときの達成感を大切に感じる。
  • マニュアルや手順書に従ってコツコツ作業を進めるのが苦にならない。

該当数を数える → Realistic(R)タイプの傾向がわかります。


2-2. Investigative(探究的タイプ)

論理的・分析的に考えて調べたり、データを扱う作業が得意な傾向があります。

  • 分析やリサーチ、データを扱うことに興味があり、自ら調べて結論を導くのが好きだ。
  • 専門書や論文を読むのに抵抗がなく、知識を深めることで満足感を得る。
  • 仮説を立てて検証するプロセス(実験、統計解析など)に楽しさを感じる。
  • 複雑な問題や難題を論理的に分解し、解決策を考えるのが得意だ。
  • 数学・理科・プログラミングのような理論的な分野に興味がある。

該当数を数える → Investigative(I)タイプの傾向がわかります。


2-3. Artistic(芸術的タイプ)

自由な表現や創造性を活かす仕事を好む傾向があります。

  • 音楽・絵画・文章・デザインなど、クリエイティブな表現活動を楽しむ。
  • ルールやマニュアルに縛られず、自分なりの方法で物事を進めたいと思う。
  • 独自のアイデアを形にすることに喜びを感じる。
  • 型にはまらないアプローチで成果を出すのが得意だと感じる。
  • 文章を書く、写真を撮る、イラストを描くなど、自分流の表現方法に興味がある。

該当数を数える → Artistic(A)タイプの傾向がわかります.


2-4. Social(社会的タイプ)

人とコミュニケーションし、教えたり助けたりする仕事が向いている傾向があります。

  • 人と直接かかわるのが好きで、相談やサポートを行うことにやりがいを感じる。
  • 教える・指導することに喜びを感じ、相手の成長を支援したいと考える。
  • チームワークで成果を出す環境に安心感を覚える。
  • 相手の気持ちをくみ取って共感的に対応することが得意だと感じる。
  • 接客・福祉・教育・医療など、人をケアする仕事に興味がある。

該当数を数える → Social(S)タイプの傾向がわかります.


2-5. Enterprising(企業家的タイプ)

リーダーシップを発揮し、人を説得して目標を追う仕事に向いている傾向があります。

  • 目標を立ててチームやプロジェクトをリードすることに喜びを感じる。
  • 人を説得したり交渉したりして物事を進めるのが得意だ。
  • 自分で企画・立案を行い、ビジネスを推進することに興味がある。
  • 売上や利益など、数字目標を追う仕事にやりがいを感じる。
  • 起業や新規事業立ち上げなど、自らリスクを取りながら挑戦したい気持ちがある。

該当数を数える → Enterprising(E)タイプの傾向がわかります.


2-6. Conventional(慣習的タイプ)

ルールに沿ってコツコツ作業を進める仕事が向いている傾向があります。

  • 数字やデータを正確に整理・管理することが得意で、ミスなく仕事を進められる。
  • 規則やマニュアルが明確な環境で働くことに安心感を覚える。
  • 繰り返しのルーティン業務でも高品質を維持できる自信がある。
  • データ入力、経理処理、書類整理など細かい作業を集中してこなすのが好きだ。
  • オフィスワーク(経理・人事・総務・事務など)で組織を支える仕事に興味がある。

該当数を数える → Conventional(C)タイプの傾向がわかります.


3. チェック結果の見方

  1. 各タイプごとに「はい」の数を数えます。
  2. 6つの数値のうち、もっとも大きいタイプが 「主な興味傾向」 になります。
  3. もし2つ以上が同数なら、複数のタイプを掛け合わせた職種(たとえばI×Rなら「研究開発+現場検証」など)を検討するヒントになります。

  • Realistic:3/5
  • Investigative:4/5 ← 最多
  • Artistic:1/5
  • Social:2/5
  • Enterprising:2/5
  • Conventional:1/5

→ この場合は「Investigative(探究的タイプ)」が強いことがわかります。データ分析やITエンジニア、研究開発などの分野を中心に求人を探してみると良さそうです。


4. チェック後の活用ポイント

  1. 職種候補をリストアップする
    • 各タイプの職種例を参考に、「未経験可の求人」をピックアップしてみましょう。インターネットで「未経験 ITエンジニア 求人」「未経験 製造 技術職」などで検索するとイメージが湧きます。
  2. 自己PRや志望動機に落とし込む
    • たとえばInvestigativeが高いなら、「私はデータ分析や論理的思考に強みがあり、現在もPythonを独学で学習中です」と書くと説得力が上がります。
    • Realisticが高いなら、「前職でDIYプロジェクトを手がけ、工具の扱いに慣れているため、現場で即戦力として動ける自信があります」といった具体例を添えましょう。
  3. 面接で質問されたときの回答例を準備する
    • 「なぜこの仕事に興味を持ったのか?」という質問には、RIASECで出たタイプの根拠を使うと説得力が増します。
    • 例:「私はInvestigative傾向が強く、もともとデータ分析やプログラミングに興味がありました。実際にProgateで学びを深め、御社の□□システム開発に貢献したいと思い応募しました。」
  4. 複数のタイプを合わせた視点を持つ
    • たとえば「I=Investigative」「S=Social」両方が高い場合、「データを扱いつつ人への提案もできるマーケティングリサーチ」が自分に合うかもしれません。複数の組み合わせを検討してみましょう。

5. まとめ

  • RIASECモデルは、自分の興味や適性を6つのタイプ(R・I・A・S・E・C)で整理できる強力な自己分析ツールです。
  • 本記事の簡易チェックリストを使い、「はい」の数をタイプごとに数えるだけで、自分の主な興味傾向がわかります。
  • 結果をもとに、未経験でもチャレンジできる職種をリストアップし、応募書類や面接で「自分がなぜその職種を目指すのか」をしっかり伝えましょう。

まずはチェックリストを試してみるところからスタートしてください。自分の興味傾向がクリアになると、転職活動もぐっと進めやすくなります!

この記事を書いた人
この記事を書いた人
千野 謙人

ユーズ株式会社所属
キャリアアドバイザー

2013年建設業界のセールスコンサルタントとして就職。地図に残る大きな仕事、たくさんのお客様との繋がりを持てることにやりがいを感じながら、第一線で働く。順調に売上を伸ばし、役職にもつく。
今後のキャリアについて自分も悩み、自分以外も今後のキャリアに悩んでいる人たちが数多くいることを実感し、ユーズ株式会社を創業。
20代若手キャリア形成を強みとし、キャリアアドバイザーとして努める

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