スマートフォンアプリ、ウェブサイト、会社のシステム…私たちが普段使っているこれらのITサービスは、たくさんの人の手によって開発されています。しかし、開発されたばかりのシステムには、必ずと言っていいほど「バグ(不具合)」が潜んでいます。
このバグを見つけ出し、品質を保証する、ITシステム開発に欠かせない存在が、今回ご紹介する「テストエンジニア」です。
「テストって、ただ動かしてみるだけじゃないの?」
「エンジニアって難しそう…」
そう感じる方もいるかもしれませんね。今回は、テストエンジニアという仕事が一体どんなものなのか、なぜ重要なのかを、初めて知る方にも分かりやすく解説していきます。
テストエンジニアって何?
テストエンジニアは、開発されたITシステムやソフトウェアが、「正しく、安全に、期待通りに動くか」を検証し、品質を保証する専門家です。
例えるなら、車を世に送り出す前に、ブレーキがきちんと効くか、エンジンに異常はないか、乗り心地は快適かなどを徹底的にチェックする「自動車の品質検査官」のような役割です。
彼らの仕事は、バグ(不具合)を見つけ出すだけでなく、「どうすればバグが起きないか」という視点から、開発の初期段階から品質向上のための提案も行います。
テストエンジニアの主な仕事内容
テストエンジニアの仕事は、単にシステムを動かしてみるだけでなく、非常に体系的かつ論理的なプロセスで進められます。
1. テスト計画の策定
- 目的:
- どのようなテストを行うか、何をチェックするか、どのくらいの期間と費用をかけるかを計画します。
- 具体例:
- 「新しいウェブサイトのテストでは、PCとスマートフォンの両方で、主要なブラウザ(Chrome, Safariなど)で表示に問題がないかをチェックしよう」といった計画を立てます。
- どの機能を優先的にテストするか、どの部分に重点を置くかなどを決めます。
2. テストケースの設計と作成
- 目的:
- 計画したテストを、具体的にどう実行するかという「テストケース(手順書)」を作成します。
- 具体例:
- 「ログイン機能のテスト」であれば、「正しいIDとパスワードでログインできるか」「間違ったIDでログインするとどうなるか」「パスワードを空白にするとどうなるか」など、様々なパターンを想定して手順と期待する結果を詳細に記述します。
- なぜ重要?: このテストケースが詳細であればあるほど、網羅性が高まり、バグを見つけやすくなります。
3. テストの実行
- 目的:
- 作成したテストケースに従って、実際にシステムを動かし、不具合がないかを確認します。
- 具体例:
- マニュアル(手動)で画面操作をしたり、自動化ツールを使ってプログラムを実行したりします。
- バグを発見したら、その詳細な内容(どの操作で起きたか、どんなエラーが表示されたかなど)を報告書にまとめ、開発者に伝えます。
4. 品質評価と報告
- 目的:
- テストの結果を分析し、システムの品質がどれくらい高いかを評価します。
- 具体例:
- 見つかったバグの数、バグの重要度、テストの進捗状況などをまとめ、プロジェクトマネージャーや開発チームに報告します。
- 「このままリリースしても問題ないか」「まだテストが必要な部分はないか」などを判断します。
テストエンジニアのやりがいと大変なこと
やりがい
- 「縁の下の力持ち」として感謝される: バグを未然に防ぐことで、サービスが安定して提供され、ユーザーからの不満が減ります。表舞台に立つことは少ないですが、開発チームやユーザーから感謝される、やりがいのある仕事です。
- 問題解決の達成感: 複雑なバグの原因を突き止め、解決に貢献できた時の達成感はひとしおです。まるで、探偵のように謎を解く面白さがあります。
- 品質に対する高い意識が身につく: 「どうすればもっと良いものが作れるか」という品質に対する視点が養われ、仕事全体への取り組み方が変わります。
- 需要の高さ: IT化が進む現代において、サービスの品質は企業の信頼に直結します。そのため、テストエンジニアの需要は高く、専門スキルを身につければ長く活躍できます。
大変なこと
- 地道な作業: 同じようなテストを何度も繰り返したり、細かい部分までチェックしたりと、非常に地道で根気がいる作業が多いです。
- 終わりなき探求: 「バグは絶対にない」と断言することはできません。そのため、常に「まだ見ぬバグ」を探し続ける、終わりなき探求が続きます。
- 開発者との連携: 開発者が作ったものをチェックする立場なので、開発者との円滑なコミュニケーションや、建設的なフィードバックを伝える力が求められます。
- 継続的な学習: 新しい技術やツールが登場するため、常に学び続ける必要があります。
まとめ:テストエンジニアはITの「品質」を守るプロ
テストエンジニアは、単なる「バグ探し」ではありません。それは、ITサービスの品質を根本から支え、ユーザーに安心と快適さを届ける、非常に専門的で重要な仕事です。
もしあなたが「細かいことに気づくのが得意」「探求心や粘り強さに自信がある」「人の役に立つことに喜びを感じる」と感じるなら、テストエンジニアは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
ITの「品質」を守るプロフェッショナルとして、社会に貢献できるやりがいのある仕事です。ぜひ、テストエンジニアの世界を覗いてみてください。