「嫌なことからすぐに逃げると、逃げ癖がつくぞ」
「ここで通用しなかったら、どこに行っても通用しない」
ブラック企業の上司や、事情を知らない外野は、呪いのようにこの言葉を吐きます。そして、真面目なあなたほど、その言葉に縛られ、「もう少しだけ頑張ろう」と歯を食いしばってしまう。
断言します。
その「我慢」が、あなたを殺します。
「逃げ癖がつく」というのは、人を安く使い潰したい人間が作り出した大嘘です。
今回は、なぜブラック企業から「全力で逃げる(退職する)」ことが、弱さではなく「賢明な生存戦略」なのか。その理由をきれいごと抜きで解説します。
1. 「逃げ癖」ではない。それは「緊急避難」だ
もし、あなたの家が火事になったらどうしますか?
「火を消すまで逃げちゃダメだ! 逃げ癖がつくぞ!」と言って、燃え盛る家の中に留まるでしょうか?
絶対に違いますよね。全速力で外に走るはずです。
それは「逃げ」ではなく、命を守るための「緊急避難」だからです。
ブラック企業とは、「常時、火災が発生している建物」と同じです。
パワハラ、長時間労働、サービス残業、人格否定。これらは「試練」ではなく「災害」です。災害現場から避難することを、誰も「逃げ癖」とは呼びません。
「すぐに辞める」のは、あなたの根性がないからではありません。あなたの「危険察知能力」が正常に働いている証拠です。
2. ブラック企業に居続けると「思考」が殺される
ブラック企業が恐ろしいのは、長時間労働そのものよりも、そこに適応しようとする過程で「正常な判断力」が破壊されることです。
段階1:違和感の麻痺(ゆでガエル化)
最初は「おかしい」と思っていた暴言や理不尽なルールが、毎日浴びせられることで「これが社会の常識なのかな?」と麻痺し始めます。異常な環境に適応してしまうのです。
段階2:自責の念(洗脳)
「お前は使えない」「給料泥棒」と言われ続けると、自信が完全に粉砕されます。
「自分が悪いんだ」「今の自分を雇ってくれるところなんて他にない」と思い込まされ、「逃げる」という選択肢そのものが頭から消えます。
段階3:感情の死
休日になっても楽しめない。美味しいものを食べても味がしない。涙が勝手に出てくる。
ここまで来ると、心は壊れる寸前です。
ブラック企業に留まることは、「忍耐力を鍛える」ことではありません。「異常な環境に疑問を持たない奴隷根性」を植え付けられることです。これこそが、あなたのキャリアにとって最大のマイナス(悪癖)です。
3. 「どこに行っても通用しない」という嘘
「うちで耐えられないなら、他所ではもっと通用しないぞ」
これは、部下を辞めさせないための常套句(テンプレ)です。間に受けてはいけません。
事実は逆です。
「ブラック企業という異常な環境でしか通用しない理不尽なスキル」を身につけても、まともなホワイト企業では役に立ちません。
- 理不尽な怒号に耐えるスキル
- サービス残業をして評価されるスキル
- 上司の顔色を読んで忖度するスキル
こんなものは、外の世界では「ゴミ」です。
早く逃げ出して、まともな環境で「論理的な思考」や「正しいビジネススキル」を身につける方が、よほど「どこでも通用する人材」になれます。
4. 壊れた心は、簡単には戻らない
「逃げ癖」を恐れて限界まで耐え、うつ病や適応障害になってしまった場合、その代償はあまりにも大きいです。
一度メンタルがクラッシュすると、完治までに数年かかることもザラにあります。働けない期間が長引けば、それこそキャリアに大きな空白が生まれます。
「履歴書に短期離職の傷がつくこと」と、
「心が壊れて、社会復帰に何年もかかること」。
どちらが人生にとって致命傷でしょうか? 答えは明白です。
あなたの心と体は、替えの効かない「資本」です。資本を守るために撤退するのは、ビジネスマンとして最も正しい判断です。
まとめ:逃げることは「戦うこと」だ
今、あなたが「辞めたい」と思っているなら、それは心が発しているSOSです。
「逃げたら負けだ」と思わないでください。
ブラック企業から逃げることは、負け犬になって尻尾を巻くことではありません。
自分の人生の主導権を取り戻すために、現状と戦うことです。
自分を大切にしてくれない環境に見切りをつけ、自分を大切にする選択をすることです。
それは、とてつもなく勇気がいる、立派な「前進」です。
どうか、「逃げ癖」なんていう呪いの言葉に惑わされないでください。
命より重い仕事なんて、この世に一つもありません。
今すぐ、全力で逃げてください。
生きていれば、キャリアなんて何度でもやり直せます。

